超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
ついに始まった体育祭!
「急きょ生徒会に入ってくれてありがとう。本当に助かった。お礼と言ってはなんだが、これを」
「え……おかし調理部への入部届!しかも二枚!?」
お昼休み。遊馬先輩に言われた通り、生徒会室へやってきた私と葵くん。「会議お疲れ様です」と挨拶した後、淀橋先輩から驚きの物を渡された。
「葵くんから、君が困っていると聞いてな。僕は甘い物が好きなんだ。もう一人、フユ校の知り合いも入部したいと言っていてな。君に渡してほしいと頼まれた。
これから受験勉強が本格的に始まるから毎週は難しいかもしれないが、時間がある時に顔を出そう」
「淀橋先輩、ありがとうございます!受験勉強が大変な時は言ってください、お菓子を作ってお届けします!ちなみに、どんなおかしが好きですか?」
リサーチを始めると、いつも仏頂面の淀橋先輩が「ふっ」と笑った。先輩って、こんなに優しく笑うんだなぁ。だけど先輩の表情筋が働いたのは、わずか三秒。いつもの顔に戻り、端の机で寝ている葵くんを見た。
「四条はずっと寝てるな」
「あ~……」
お昼休みに入る前。葵くんに「無理しなくてもいいよ?」と言ったけど、葵くんは引かなかった。最初は頑張って起きてたんだけど……睡魔に勝てなかったみたい。そりゃ疲れるよね。作文を書いたり、部活で追加メニュー出されたりしてるんだもん。
「葵くん、大丈夫かなぁ」
「葵クンって体力あるのが取り柄だから、心配しなくても大丈夫だよ。それよりひなちゃん~。いつになったら俺を名前で呼んでくれるの?」