超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「兄に代わって、ひなるちゃんが合同会議にでてくれたんだよね?兄が感謝してた。だから……これどうぞ」
「これは!」
見ると、新たな入部届。名前の欄に「東(あずま)とおる」と書かれている。この人が遊馬先輩を困らせている生徒会長。三年生ってことは、淀橋先輩や紫温先輩と同じだ。
「でも勝手に入部届を出したら、お兄さんビックリしないかな?」
「じゃあメールで聞いてみるね。ちょっと待ってて」
言うやいなや、ことりちゃんはスマホを操作した。シュポッと音がした数秒後、メールの受信音が聞こえる。
「兄からOKの確認がとれたよ。むしろ〝ひなるさんの頼みならぜひ入部させてほしい〟って言ってる」
(なんで!?)
混乱する私をよそに、ことりちゃんは深々お辞儀をした。
「ということで。兄妹そろってよろしくお願いします、ひなるちゃん」
「よ、よろしくお願いします……?」
急に十人の部員がそろい、放心状態。だけどことりちゃんはシッカリしていて「さっそく職員室に行こう」と。おかし調理部誕生の瞬間を見届けるようと、瞳を輝かせていた。
善は急げというし、二人で職員室を目指す。その道すがら、ことりちゃんは全員分の入部届を眺めた。
「にしても、すごいメンツだね。……妄想がはがどりそう」
「妄想?」
「私、恋愛小説を書いてるの。それで日々ネタを……って、言っちゃった。な、内緒にしてね」
頬を赤くし、照れることりちゃん。かわいいなぁと思っていると、なぜかことりちゃんからお礼を言われる。