超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「私ね、最近ずっとソワソワしてるの」
「うん。見てれば分かる」
「え、分かっちゃう!?」
私って、そんなに分かりやすかったんだ!気をつけないと……!
赤面した顔を隠す、その指の間から。現在、障害物競走に出ている葵くんを見る。一位を独走する姿に、より胸が騒がしくなった。
だけど、開会式以降テントに戻れないほど、たくさんの種目に出ている葵くん。ここ数日は、部活にプラスして、体育祭の練習にも積極的に参加していた。
「葵くん、倒れないといいけど……」
「あの葵が、そんな事でやられるかよ」
アキラちゃんにしては低い声……って、
「翼くん⁉」
振り向くと、体操服姿の翼くん。青いハチマキを大きな輪っかにし、だらんと首にかけていた。
「この人が白石翼くん⁉めっちゃイケメン……!」
私の隣で興奮するアキラちゃんを、翼くんに紹介する。すると、いつもとは違う丁寧な口調が返ってきた。
「いつもひなるが世話になってます。ひなる、初日はあんなに緊張してたけど友達できたのか。良かったな」
「うん!」
へへと笑うと、翼くんが私の頭をポンと叩く。
「水、ちゃんと飲めよ。今日は暑いぞ」
「うん、翼くんもね!リレーがんばろうね!」
「お、おう!」
去って行く翼くんに、アキラちゃんは「ツンデレやば」と息を荒くした。もう一度お茶を飲むよう勧めた時、「本部」の腕章をつけた人が、背後にぬっと現れた。