超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?
「こんにちは、ひなるちゃん」
「あ、紫温先輩!」
「この人が氷上先輩⁉めっちゃイケメン……!」
お茶を飲むどころじゃなくなったのか、アキラちゃんは水筒そっちのけで紫温先輩を見た。紫のハチマキを、キチッと頭に巻いている。手にはバインダーを持っていて、なんだか忙しそう。
「本部って大変そうですね。何か手伝えることありますか?」
「とんでもない。初めての体育祭、いっぱい楽しんでね」
頭をポンポンとなでられる。と同時に、遠くから賑やかな声が近づいて来た。見ると、すごい数の女子に囲まれた七海先輩。目があったから話し掛けようと思ったけど、周りの女子に阻まれ断念。お話し出来なかったな……。遠ざかる七海先輩が、申し訳なさそうに私に両手を合わせた 。
「七海先輩、大変ですね」
「今までプレイボーイだったからね。本命が出来たって言っても、信じてもらえないみたいだよ」
「本命?」
聞くと、紫温先輩は少しだけ焦った表情を浮かべる。
「そろそろ本部に戻らなきゃ。じゃあねひなるちゃん、お友達も」
「「はいッ」」
立て続けに三人を見たアキラちゃんは、空気が抜けた風船みたく地面に座り込む。
「むり、顔面偏差値高すぎ。むり」
「アキラちゃん、しっかり……!」