超イケメン男子たちと、ナイショで同居することになりました!?

「行かなきゃ。ひなるのおかげで元気でた、ありがとう」
「うん、いってらっしゃい!」

手を挙げて、集合場所へ向かう葵くん。すごくカッコよく見えるのは、今日が体育祭だからかな。いつもカッコいいんだけど、今日はいつにも増して……。
ポーッと葵くんの後ろ姿を見つめていると、たくさんの視線がささっていることに気づく。アキラちゃんを初めとする、クラスの女子たちだ。

(人気者の葵くんを独占しちゃったから、みんな怒ってるよね⁉)

皆ごめんね――と謝る直前。なぜかテントの中から拍手が起こる。筆頭はアキラちゃんで「これがアオハル」と涙ぐんでいた。女子達も同じく「尊い」と手を合わせている。

「アキラちゃん、これは……」
「二人の仲は引き裂けないって、みんな分かったのよ。認めてもらえてよかったね」
「えぇ?」

不思議に思っていると、響き渡る女子の歓声。見ると、アンカーの四人がほぼ同時にバトンパスされていた。葵くん、翼くん、七海先輩、紫温先輩。みんな真剣な表情。

「ひなる、ここで一位になったチームが優勝だからね!」
「うん……!」

奇跡的に、四チームのスコアは同点。そしてバトンパスされた順番も、ほぼ横並び。

「いけー!!」
「抜かせー!」

みんな一斉に声を出し、各テントから応援が飛び交っている。各チームの応援団、吹奏楽、そして大太鼓の登場により、運動場の熱は一気に上がった。

「ひなる!誰が勝ってもおかしくないよ!」
「うん!」

拮抗が崩れたのは、カーブを曲がった時。先輩たちが前に出て、一年生組との差を開いていく。体が大きい分、手足が長い!七海先輩も紫温先輩も、いつ練習したんだろうっていうくらいキレイなフォーム!
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