溺愛は復讐の始まり
「英?聞いた事のない名前だけど。」

「ああ、俺。親父の隠し子だから。」

「はあ⁉」

あのママを溺愛していたパパに隠し子⁉

「あんた生まれた後、しばらく親父は俺のおふくろに手を出してね。で、俺が生まれた。」

「ウソよ!」

「なんて言っても信じないだろうね。だって親父が俺を認知したのは、最近だから。」

私は唖然とした。

パパが、この男を息子だと認知した?

どうして?

私は渡辺を見た。

「旦那様は、お嬢様が30歳を迎えた時に、将来をお考えになりまして、英様をこの家に迎えられました。」

「何よ、それ!」

「姉さんがいつまでも、遊び惚けているからでしょ。」

遊び惚けている。

呆れて何も言えない。

「パパは私に何も言わなかったわ。」

「あえて言わなかったんだろ。かわいいかわいい娘が可哀想で。」
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