溺愛は復讐の始まり
私は唇を噛んだ。

「でも、私は認めないわ!」

そうよ。パパとママの跡を継ぐのは、この私よ!

「渡辺!急いで次期社長になれるような相手を、用意してちょうだい。」

「用意なさって、どうされるんですか。」

「もちろん、私と結婚してこの家に入って貰うのよ。」

すると英がお腹を抱えて、笑いだした。

「な、何よ!」

「その必要ないんじゃない?だって姉さんがこの家で過ごすのは、今日で最後だから。」

「はあ?」

私は英の胸倉を掴んだ。

「あんた、さっきから何を言ってるの?」

「それは、俺のセリフだけど?」

ムカつく!

「渡辺!こいつを屋敷から、追い払って!」

大体、こいつがパパの息子だって、信じられるわけないのよ!

でも、渡辺は動かない。
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