梅雨の雫
「よっ。」

最寄り駅に着くと、バケツと花火を持った堀くんが待っていた。

「広瀬、行こ。」

『え、花火?何で?』

想像すらしてないことで思わず驚いてしまった。

「うん、夏の先取り?かな。」

『まだ、6月だよ?』


「梅雨が終わるから、ちょっと早めの夏のお届けもの。」


楽しそうに笑う堀くん。


高校生らしい笑い方だった。




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