君のスガタ
 私は立ち上がり、男子バトミントン部の部員に自分の右手を握りしめて、目を見開いた。

「はあ? なにいきなり。君には関係ないよね」

 男子バトミントン部員ははあ?と腕を組んで反論する。

「…私は真剣にやってない人は嫌いなんで!」

 いつもより大きい声で男子バトミントン部の部員に言うと、驚いた顔を一瞬してからなんだよ、こいつと怪訝そうにしていた。

「そうだよ! 部活を一生懸命にやらない奴なんか試合で負けちゃえ」

 比佐先輩はニコリと微笑んでから、どうぞ部活にお戻りくださいとバトミントン部が使っている所に誘導するかのように手を差し出した。

「チッ」

 その様子を見た男子バトミントン部部員は舌打ちをしていた。

「…あの、ごめんなさい。お話をしてたのに」

 私はバレー部の先輩たちに謝った。

「いいんだよ、柚。私達も話に飽きてたから。同じ話ばかりだったもんね」

 先輩達は同意するかのように頷いていた。

「柚。ありがとうね。じゃあ、部活しますか」

 比佐先輩は私の肩をポンと叩いてから、バレーボールを出すために立ち上がり、他の部員にもやるよ、ほらほらと声を掛けて、部活に戻った。

「…はい」
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