君のスガタ
 私は返事をして、練習を始めた。

 結局私とめぐみは一対一で練習をした。

 一年生達は柳暗先生にバレーの基礎を教えてもらっていた。

 一年生達は何人入ったかというと、ガングロ女子三人組だった。

意外にもあの辛いお試し訓練を終えて、先日正式に部活動に入れることが決まった。

 ガングロ三人組は、見た目は個性が強いけど、バレー好きなのは同じだ。

 柳暗先生と熱心な指導を一生懸命に取り組んでいた。

 私は微笑ましく、口角を上げてしまった。

 トスとレシーブはめぐみとしてから、先輩達と交代しながら練習をした。

 めぐみは一緒に帰ろうよと私におねだりしてきたが、今日も残って練習すると言って残った。

 先輩達も私の身体を心配して言ってくれたが、私は大丈夫ですと笑っていた。

 本当は明日のレギュラー発表が気になって、練習をしてごまかしているだけなんだけどね。

 タンタンと体育館の床をバレーボールで叩きつけていると、ガラッと開く扉の音が聞こえた。

 目の前には松永先輩がいた。

「…え? 松永先輩」

 私は体育館に入ってきた松永先輩を呼ぶ。
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