君のスガタ
 私は昨日と同じように立ち止まって、人気者男子のテニス姿をただ見ていた。

 そんな時、人気者男子が声をかけてきた。

「あの……。何か用ですか?」

「はい?」

「いや…だって昨日から見ていたからなにかなって」

 人気者男子は私を見て、言う。

「なんで、私だって分かって…」

「その髪、ポニーテール」

 人気男子は自分の髪を指でさして、うん?とにこやかに口角を上げて言った。

「ああ……」

 私は返事をして、目の前にいる人気男子を一八五㎝は身長があるので、見上げるように見る。

「……バレー部でしょ? 君たち」

 人気男子は私たちを指さして、聞いてきた。

「キャーキャー。私のことも覚えてくれてたなんて…」

 めぐみは頭を抱えて、私の後ろについていた。

「……私たちがなんでバレー部って」

「見てたから。体育館でバレー部練習している所」

 人気男子は真顔で私に言ってきた。

 認識してくれるなんて、思いもしなかった。

「そうですか…。では、私達は帰りますね」

 私はめぐみの腕を引っ張り、帰ろうと足を踏み出すと、人気男子が声をかけてきた。

「俺、松永慶(まつながけい)。よろしくね」
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