君のスガタ
 私、頑張ったんだ。

 安心と同時に終わったことで、より一層松永先輩の思いが強くなった。

 私とあなたはどんな関係なの?

 あなたに問いたけど、問いかけた分、期待している私はおかしいですか?

 そう心の中で思いながら、床に寝そべった。




 一方、松永先輩は…

「はぁ…」

 俺は歩きながらため息をついた。

 嘘ついても意味がなかった。

 俺は言おうと思ったが、やはり無理だった。

 下を向いて、鞄を左手に持ち、柚の表情を思い出す。

 腕を組みながら、ため息をついて考える。

 柚は分かんないはずだ。

 俺は広場の真ん中に丸い椅子があったので、座った。

 広場にはダンス練習している男女四人組がワンツ・スリー・フォー・ファイブ・シックスとみんなで曲と掛け声に合わせて動いていた。

 熱中することがあるとみんな生き生きしたような表情をする。

 真剣に何かを取り組んでいる姿は誰しも輝かしい。

 なんでもできるからって周りから完璧だって思われているのを知っていて、頑張った。

 頑張っても俺はどんなことでもできてしまった。

 凄い、完璧。
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