君のスガタ
第七章「好きの考え方と今の私達の関係」
「柚~」
めぐみが私の後ろから抱きついてきた。
「どうした?」
私は鞄の中に教科書類を入れて、めぐみに聞く。
クラスメイトは部活動に行く準備をしたり、ふざけて組体操したりと楽しい面々と遊んでいるようであった。
「なんかね…最近、堺君怖いの」
めぐみは私を抱きついたまま、私の首筋に口元を置き、口元に触れる感じでくすぐったかったが、話を聞いた。
「怖い? 堺くんが」
私は鞄を入れたので、めぐみの手を掴んで、めぐみの目を見た。
めぐみは泣きそうな目をして、私に訴えた。
「めぐみ……なにあったの?」
私はめぐみの手をさすって、柔らかな優しい声で言い放った。
「堺君。なにかにはまったのか分からないけど、携帯でずっと誰かとやりとりしてるし。
いつもブツブツ言ってる」
めぐみは下を向いて、変わってしまった堺君にどう対応していいか悩んでいるようだった。
教室はがらんとしていて、めぐみは机に両手を置いて座り、私何したんだろうとどこかを向いて、はぁとため息を吐いて諦めたように笑っていた。
「なにかあったんじゃないの。堺君。最近、あまり男子でも話している場面見ないし」
私は同じように机に座って、めぐみと同じ高さで話を聞いた。
「…うん…そうなんだけど…」
浮かない顔をしてめぐみは返事をする。
「なんか無理そうなの?」
私はめぐみの顔色を窺うように質問を返した。
「…私だけ避けられている気がするから、なんか」
めぐみはしょんぼりとした表情で堺君の様子を想像しているのかまた、ため息を吐いていた。
「…でも、まず話さないと分からないよね」
私はめぐみに同意するかのように答えた。
めぐみは嬉しそうにしてから、私の手を掴み、帰路についた。
翌日
いつものように私は学校に着いて、用意をした。
めぐみは昨日話したように堺君に話しかけていた。
堺君はしょうがなさそうにめぐみと話をしていたので、私は割って入った。
「堺君」
私はめぐみと話しているのを止めて、堺君を呼んだ。
堺君は渋い顔をして、私を見てきた。