君のスガタ
「あっ、きよしもさ、一緒だけど大丈夫?」

 めぐみは玄関先で靴を履き替えて、左方向にいた私はうん? と首を傾げて聞き返す。

「きよしだよ。柚の唯一の男友達」

 めぐみは嫌なことを思い出したのか表情が険しくなった。

「きよし。話しかけると、反応はしてくれるし。そんな気にしてないよ」

 私は靴を履き替え終えてから、右手で左右に振って否定した。

「いや、反応って。 ただ顔動かしてるだけでしょ。まぁ、いいや。あ、そんなこと話していたら教室に着いたね」

 めぐみがガラッとドアを開けると、そこには見慣れたクラスメイト達がいた。

「久しぶり! 柚。なんか髪切った?」

「柚、めぐみ。久しぶり」

 クラスメイト達から声をかけられた。

「うん。久しぶり」

 私は話しかけられたクラスメイトに手をふった。めぐみも嬉しそうに話していた。

 クラス替えがないので、みんな仲いい人やクラスメイトと笑ったり、なにかを見てひとりでいる人もいた。

「はい。席につけ~」

 一年生の時も担任だった刈谷(かりや)。

「なんだよ。刈谷。今日はネックレスしてないんだな」

 男子クラスメイトがため口で刈谷先生に聞く。
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