君のスガタ
「………あっ、うん。え? どうしたの?」

「松永先輩と話した後からなんかぼっーとしてるから大丈夫かなと思って…」

 めぐみは私の顔の方に近づいて、聞いてきた。

優しいなぁ、めぐみは。

「本当になにもないから、うん、大丈夫」

 私は首を左手に回して、右肩には重い荷物を持っていた。

部活に行こうとしている男子二人組がガハガハと笑ってたり、好きな人に告白でもしたのか泣いている女の子がいた。  

 一日が何事もなく終わるなんてない。

 なにかは一つある。

「ふーん。そっか」

 めぐみは返事をして、部活に行こうかと言って私の手を握ってきた。

 自分のことのように私の心を励ましてくれる。

私はめぐみを見て、微笑んだ。

「…行こうか」

 私は体育館まで歩き続けた。

 体育館に着くと、一年の見学者達がいた。

 だが、昨日より見学者は五人ほどに減っていた。

まぁ、こうなることは予想済み。

「五人か……もう少し減ると思ったけど。でも、あの三人組は怪しいけどね」

 めぐみは腕を組んで、三人組を見つめていた。

あの三人組は、いわゆるギャルだ。

きゃぴきゃぴして、ガングロ女子三人組だ。
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