君のスガタ
 柳暗先生は表情筋をもう少し考えてやってほしい。

目を細めて、辞めろ辞めろオーラを出して、両腕を組んで、三人組を見つめていた。

あの三人組は気づいていない。

柳暗先生が放っている辞めろ辞めろオーラを。

「……でも、意外にネイルはしてないよ」

 私はめぐみの隣でさりげなくフォローをした。

 バレー部のメンバーはバレーボールを出して、準備をしていた。

私達も話しながら、バレー部のメンバーと共に手を動かした。

「あ、柳暗先生」

 私はめぐみと話している途中に柳暗先生が近くにやってきた。

早足で私達は柳暗先生の元へ駆け寄る。

一年生達はすぐ話すのをやめて、素早く先生の所へ行っていた。

「お前ら、今日は何の日か知ってるか?」

 柳暗先生は急に変なことを言ってきた。

 その言葉に私達バレー部員が顔を合わせた。

 それは柳暗先生が唯一自慢して言うことだった。バレー部員は急に集まって、円陣を組んだ。

 一年生達は目を丸くしていた。

 私達バレー部員は話し終わったら、バレー部員全員で声を出す。

「柳暗先生! お誕生日おめでとうございます」
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