君のスガタ
 めぐみはバレーボールを私に渡してから、私はパスをして、めぐみはレシーブをした。

「プレゼント、考えるのは嫌だから、まぁ、言葉で伝えるだけならいいよね」

 私は柳暗先生を見る。

柳暗先生はバレー部を明るく盛り上げるためにやっているのだろう。

「…っ…っ…柚。パスうまくなったね」

「え? そう」

 私はパスを止めて、前にいるめぐみを目を丸くして言う。

「うん、やっぱり練習の成果出たんじゃない」

 めぐみはうんうんと頷いてから、嬉しそうに私に言った。

「…ありがとう。じゃあ、続けよう」

 私はお礼を伝える。

 それから私は部活が終わったあとも練習をし続けた。

 今日はめぐみにもパスがうまくなったと褒められたから何だかいつもよりも倍頑張れそうだ。

「よし! 頑張ろう!」

 自分に励ましのエールを言葉で表す。

 ボールを持ち、サーブ練習を十回以上行ったら、かごの中にボールがなかったので拾った。

「これも、これもか…」

 私は自分で独り言を呟いた。

「一人で練習か?」

 私は声の方を振り向くと…

「松永慶先輩」

 私は後ろを振り向くと、松永慶先輩がいた。

「な、ここでなにしてるんですか」
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