君のスガタ
 ミカは口を尖らせて、言いたいことを言う。

「彼氏できたのか。こないだ別れたばかりじゃなかったのか?」

 父はお茶碗を持って、ミカの方を向き直して聞いた。

「うん、そうだよ。新しい彼氏できた。今回は長く続きそう。あはは」

 ミカは大きい口を開けて笑って、パクパクとご飯やおかずを食べていた。

「ミカ!! 恋愛ばかりしないで勉強しろ!」

 家族はミカの恋愛事情は大体把握しているので、父以外誰も怒る気にもなれなかった。

 怒っても直らないことは分かっているが、それでも父はミカに言っている。

「…はい、は~い」

 ミカは食べ終わったのか皿と箸をシンクに置き、手を振って自分の部屋に戻っていた。

「ミカ…」

 私はミカを呼んだが、聞こえてないのか返事がなかった。

 両親はミカのことを心配していた。

 私は食べ終わったあと、ミカの部屋の扉をトントンと叩いた。

「はーい」

 ミカは返事をしたので、ドアノブを右手で握りしめて部屋に入った。

「ミカ。今度の彼氏大丈夫なの?」

 私はミカに聞く。

 ミカはベットに横になりながら、携帯を弄っていた。
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