君のスガタ
「……大丈夫だよ。しかも、頭のいい学校の青柳高校の高校二年生。おねぇちゃんと同い年。めがねでクールで頭もキレる人」

 ミカは携帯を弄るのはやめて、私を見て言ってきた。私はミカを見つめて、聞いた。

「私と同い年! どこで知り合ったの?」

「おねぇちゃんには言わない~。ミカ、やることあるからおねぇちゃんは出て行って」

 ミカは、はいはいと言い、私の背中を押して部屋から出された。

 バタンと扉を閉められた。

「ミカ。なに考えてんのかな」

 私は独り言を呟いて、ミカの部屋を見た。

 ミカのこと、様子見ていくか。

 ミカは恋愛主義で勉強はあまりしない。

 恋愛だけを見ているミカは本当は誰かを好きになっては嫌になっているのだろうか。

 勉強と部活の両立をしている私には恋愛の要素はない。皆無だ。

 恋愛だけをしているミカには何が大切で何が必要かを恋愛を通して、見極めているのだろうか。

 だが、少しは勉強をしてほしい。

 私は自分の部屋に戻り、松永慶先輩の言動を思い出した。

「松永慶先輩…」

 私は部屋に入り、ドアを閉めて、座り込む。

 なに考えてるんだろう。

初めて会ったばかりなのになにかが気になる。

「うーん…」

 上を見上げて真っ白な壁を見つめる。

 自分を責める言い方で言うなんて、前になんかあったに違いない。

 うーんと考えても分からないので、考えないようにした。

 すぐ私はベットの中に入り、目を瞑った。

 瞑っても、松永慶先輩の言葉が過る中、私は夢ではめぐみやきよしともいつものように話をしたり、松永慶先輩とはお互い素が出て、笑っていた。

 楽しそうに。

 こんな自分は多分、夢に違いない。

 松永慶先輩とは何もない。

 夢でそうなっていただけだ。
 
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