君のスガタ
 友達らしき人物は私の顔を近づけて、じっーと見ていたので、なんですか? と聞くと、松永慶先輩は友達らしき人物の髪を掴んで、声を発した。

「おい、何してんだよ。困ってんだろ」

 友達らしき人物は松永慶先輩に眉をひそめて、えーと面白くなさそうにしていた。

「柚も抵抗しなよね」

 松永慶先輩は呆れた顔で私に頭をポンと手を置いて言う。

「…いや…急だったので抵抗もできなかったですし」

「はあ? そんなこと言ってるから隙できるんだろう。分かんないの?」

 松永慶先輩は頭に手を置いたまま、うん?と首を傾げて優しい瞳で見つめてくる。

 この前の件もあり、どういう表情をしていいか分からなかった。

「……えーと……」

 私は目を泳がせていた。

「…慶。柚ちゃん、見てみてよ」

 友達らしき人物は松永慶先輩に目で合図して、会話の間に入って来た。

 それを聞いた松永先輩は私の方を見てきた。

「…っ…柚」

 松永慶先輩は私の顔が変だったのか名前を呼んでいた。

「私、なんか変な顔してます?」

 私は自分の顔を両手で触って、変ですかと何回も松永慶先輩に聞く。
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