君のスガタ
 私は考えてもいいアイデアが思いつかない。

「めぐみ。なんて顔してんの」

 私はギョッとして、驚いた目でめぐみを見た。

「…いや、だって…早く決まんなそうだから。イライラする」

 眉間に皺を寄せて、めぐみは黒板をじっーと見つめて、足を組んでいた。

 何か決め事があると、大体すぐには決まらない。 

 決まらないことでめぐみは時間の無駄だと思い、早く終わらせたいという思いがあり、今のようになる。

「だったら、言えばいいじゃない?」

「あと、十秒だけ待つ。十、九、八、七、六、五、四、三、二、一」

 めぐみは声を出して、カウントダウンをした。

 カウントダウンが終わると、意を決して、めぐみは立ち上がる。

「あの、本当になにもないの? みんな」

 めぐみは仁王立ちをして、両手を腰において、力強く言葉を発する。

 クラス全員は近くにいるクラスメイトや友達にヒソヒソと話して、なにか言っていた。

 そのヒソヒソ話はめぐみのことを悪く言っているに違いない。

「はぁ、じゃあ、言うけど。これじゃ、お前らがやりたいことをやれなくていいの?」

 めぐみはそう言うと、クラス全員は仲いいクラスメイトと話していた。
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