君のスガタ
「……ああ~、委員長! もう俺用事あるから抜けていい?」

 男子クラスメイトはポリポリと髪をかいて、申し訳なさそうに眉を下げて、女子委員長に言う。

「いいよ。なにか用事ある人は帰っていいからね」

 女子委員長の言葉で男女十人ほどごめん、抜けるねと言って、教室から出て行った。

 残ったのは一六人くらいだった。小道具担当と委員長二人と王子・プリセンス役はきよしと私だけになった。

 堺くんが塾に行かないといけないから、抜けると言うと、めぐみは私も用事あるからと言って出て行った。

 その時のめぐみは私にアイコンタクトで私に伝えてきた。

 堺くんと途中まで話していくわと私に目で伝えてきて、私はピースをして頷いた。

 それを見たきよしは私に聞いてきた。

「なに、ピースなんかして」

 きよしはじっーと私を見てきた。

 私を見ているだけでなにか分かるのか、きよし。

「私たちしか分からないことだよ。珍しくない? 質問」

 私はきよしに聞くと、別にと真顔で声を発する。

 相変わらず、表情に色がついていないなぁ。

 色がついたら、きよしの考え方分かるのに。
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