君のスガタ
 それから、先生が来たので、私は授業に入った。

授業は国語だ。

 どの教科も先生が変わらないので、新学期だが何も変化がない。

 国語の先生の話を聞いて、聞いているようで聞いていない私は呆然としていた。

 早く部活始まらないかな。

 私は授業よりも部活動が早くしたかった。

 時間が経つと、もう放課後になった。

「柚。部活 行こう!」

 めぐみがバンッと背中を叩いて、声をかけてきた。

「うん、行こう。あれ、今日から新入生見学に来るんだよね」

 私は鞄を机に置き、めぐみに聞いた。

「うん。そうだよ。どうした? 柚、なに元気ない感じ?」

 めぐみは首を傾げて、私に心配そうに聞いてきた。

「ううん、そんなことないよ」

 めぐみに言ったことは真実ではない。

 嘘だ。

 新入生が来て、バレーが上手な子が来ると思うと、レギュラーにはなれない確率が低くなる。自分のことしか考えていない。

「…そう。じゃあ、行こう」

 めぐみは微笑んで、私の右腕を引っ張って立たせた。

 私たちは体育館に向かった。めぐみと行くと、体育館には新入生がたくさんいた。
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