君のスガタ
 明日の天気荒れるのかそれともきよしがいなくなってしまうのか。

 ファンタジードラマの見過ぎだ。

 それはない。

やっと、話すようになったばかりでそんなことをする人ではない。

 そんな姿を見て、私も頑張ろうと思った。

 なんだかやる気が出てきた。

 誰かが何かを頑張ろうとする姿は勇気をくれる。

 きよしの寸法の測りも終わり、小道具係も出来上がったので今日の分は大体終わり。

 私はきよしと二人で帰ることになった。

 小道具係の人たちは先に帰ってしまった。必然的にきよしと帰ることに。

「…きよし。あんなに話せるならいままでなんで話さなかったの?」 

 下駄箱に上靴を入れてから、きよしに問いかける。

 話せるなら話した方がクラスメイトとも関わると楽しいことが増える。

「……別に」 

 きよしは目を下に向いてから、小さい声で発した。

「いやいや…なんかあったからこんな話すようになったんでしょ」

 私は食い気味できよしに聞き、外靴をはいた。こんな変わりよう、なにかあったに決まってる。

 それほどの覚悟がないとできないし、このような変わり方はしない。

「…あのさ、柚」

「なに?」
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