君のスガタ
 クラスメイトはテンション高く、声を上げた。

 それから、役者たちは位置の確認して、松永先輩が一言言っただけだが、堺くんは以前よりも感情を込めているように見えた。

「これでいい感じに仕上がってきたね」

 女子委員長はクラスメイト全員に少し微笑んでから解散した。

 あとは、十三時から行われる劇に合わせて、準備する。

「柚」

 体育館から教室に戻ろうとしたら、きよしに声をかけられた。

「なに?」 

 私は後ろを振り返って、きよしの方を見る。

 クラスメイト達は友達と話し合いながら、学園祭について楽しく話していた。

 女子クラスメイトは天海祭のパンフレットを両手に持ち、友達にニコリとして言う。

「ここのところ、楽しみなんだよね。そうそう、キャンプファイヤーって、告白の王道らしいし。ちなみにそこで告白すると、一つの願いが叶うらしいよ」

「へぇ、そうなんだ」

 私達が立ち止まっていたのを通り過ぎた女子クラスメイトは話していた。

「柚……。劇終わったら、話があるんだ」

 きよしは真面目な表情で口を結んで、私に伝えてくる。

「…分かった」

 きよしがなにかを伝えたいのは知ってる。
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