君のスガタ
 だけど、私に友達をやめてほしいって言われたら、少し傷つくな。

 友達って思っていたのに本当に違うのかな。

「……」

 私はきよしの後ろ姿を見て、考え込む。

 なんかしたのかな、私、いつの間にか…

 その頃、松永先輩は

「なぁ、なんで体育館行ったの、わざわざ」

 斗真は頭を両手につけて、歩いていた。

「……別になにもないよ」

 俺は本当になんでもなかった。

 でも、柚を見たら、何か話したかった。

 部活動にも来てないし、最近見かけないから。

ただ、話したかっただけだ。

 それだけのこと。

「…運命はあると思うよ」

 女子クラスメイトが泣いていて、きよしが運命なんてないと言っていたが、違うと思った。

 女子クラスメイトが泣いているのもあったけど、俺は俺自身に言いかけていた気がした。

 なんでか…分からないけど。

 運命なんてくそくらえって思っていたのになんでなんだろう。 

 確かにあると思ってしまったんだ。

 柚を見たら。どんな運命かは分からないが『運命』って言葉が頭の中で出てきてしまう。

「……本当になんもないから」
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