愛する秘書さん、そろそろ大団円といきますか
「男性の前ではぶりっ子だからね、あの人。だまされた男性は気の毒よねー」
「でも芳井さんが結婚退職するならストレスが減っていいわ。やっと正面玄関から出入りできる」
「よく耐えたわよね。耐えたといえば今の状況もよ? 愛茉はさ、会社のこと考えすぎなんだよ。正直会社の利益なんて関係なくない? 私にとっては愛茉の幸せのほうが大事な問題よ?」
「由起……」
「愛茉、私たちに何かできることがあったら言ってね? いつでも相談に乗るから。ためこまないでね」
「……うん。ありがとう」

 2年前、私は先輩に頼まれて合コンに参加した。どうしても女性側が1名足りなくて困っていると泣きつかれたのだ。
 それが悪夢の始まりだった――。
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