愛する秘書さん、そろそろ大団円といきますか
「可愛いな。そんなに煽っちゃって。気持ちよくさせてやるからさ――」
「いやっ! やめてっ! 近づかないで! やっ――――!」
 全体重を乗せてきて、私を押さえつける力は半端なかった。
 なすすべもなく、唇が重なってきた。
 気持ち悪い。誰か助けて!
「んー! んっ、んー!」
 私の口をこじ開けるかのように舌を入れてくる。
 気持ち悪い。気持ち悪い!
 ブラウスの裾をスカートから引き出し、中に手を入れてきた。私は金森の唇を思いっきり噛んでやった。
「イッて! なにすんだよ! こいつ――」
 バシン! と金森が私の頬を叩いた。
 しかしそのことで体を押さえつけていた重みがふっとなくなった。私は金森さんを思いっきり足蹴りにして逃げた。
 鞄を忘れなかった自分を褒めてやりたい。

 個室を出たとところで女性客とぶつかった。
「すみません!」と謝ったものの、相手の返事を聞く余裕もなく、私は店を出た。
 いつ金森が追ってくるかわからないのだ。
 ところが店を出たところで腕を掴まれてしまう。
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