愛する秘書さん、そろそろ大団円といきますか
「あとは芳井ね。1つしか違わないし、あっちもまだしばらくは異動にならないでしょうね」
「うん……」
「愛茉が異動願を出すか」
「その方がいいよね……でもたったの一年で異動願なんて許されるのかな」
「正直、出したところで希望が叶うかわからないわ。でも出さなきゃずっとこのままよ?」
 そうか。希望が叶うかなんてわからない。でも出さなきゃ始まらない。やっぱりすぐにでも異動願を出そう。 
 そうして、芳井いじめに耐えながら春の人事で異動になることを願った。
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