愛する秘書さん、そろそろ大団円といきますか
 どうしよう。ここで好きだと言ってしまったら、もうあと戻りできない。
「言わないのか? 俺のこと好きだって」
「……」
「仕方ないな。じゃあ言えるようにしてやろう」
「へ? あ、ちょ……んっ」
 私の顎をそっと持ち上げ、軽く口づけてきた。
 ついばむようなキスを繰り返しながら「早く言えよ」と目で促してくる。
「てる……」
「この唇は俺のものだ」
 そう言ってさらに深く口づける。歯列を割り、舌が奥まで入ってくると体がゾクゾクと震えだす。
 もっと深く絡み合いたくて思わず暉明にしがみつく。頭がくらくらしてきた。
 ところが、甘い陶酔感に浸っていたところで、スッと暉明の体が離れていった。
「続きは愛茉次第だ。言えよ」
「暉くん……」
 こんなに欲しいのに、暉明は意地悪だ。
「俺のこと、どう思ってる?」
「…………好き。ずっと好きだった」
 ニヤッと笑った暉明が「やっと言ったか」と言って私をソファへ押し倒す。
「愛茉……俺はもう離す気ないから。覚悟して」
 こうして私たちの秘密の関係が始まった。
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