愛する秘書さん、そろそろ大団円といきますか
「愛茉」
「ん?」
 振り向いた私にチュッと軽いキス。
「ちょ……暉くん! こんなところで」
「ただいま。会いたかった」
「……うん。私も」
「早く二人きりになりたい。行こう」
 帰りの高速は暉明が運転をしてくれた。
 思いがけず二人の時間が訪れてドキドキする。
 部屋を開けた途端抱きしめられた。
「はーっ、愛茉の匂いだ」
「え、ちょっと……あ、汗臭い?」
「いや、いい匂い。帰ってきたんだなって思う。会いたかった。俺も愛茉を連れてい行きたかったよ」
「暉くん……私も会いたかった。寂しかったのよ?」
「愛茉……シャワー浴びたい」
「あ、そうだね」
「愛茉も一緒に入ろう?」
「え」
「ほら、早く!」
 荷ほどきもせず、私たちはバスルームに流れ込んだ。
 そしてベッドで長い空白の時を埋めるかのように愛し合った。
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