油圧ショベルに乗った王子様~ノーブルな土木作業員は元気娘を愛でる~
第二章 転職先は天国でした
「うもっちゃん、おはよー」
私が仕事の準備をしていると作業員さんたちが出勤してきた。
「おはよーございまーす」
私も元気に挨拶を返す。
あれから渡守さんの紹介で、彼の勤め先の土木会社に事務員として雇ってもらった。
渡守さんはもしかしたら今までの会社よりも給料が悪いかもしれないと言っていたが、悪いどころか増えた。
前の給料を聞いた社長と渡守さんから、
『それで今まで、よく生活できたね……』
と心配されたくらいだ。
「おはよう、璃世ちゃん」
そのうち、渡守さんも出勤してきた。
「お、おはようございます……」
ホワイトボードに予定を書き込んでいた私の隣に彼が立つ。
そこにタイムカードがあるのだから当たり前だ。
けれどなんとなく、一歩横に動いて距離を取ってしまう。
できた一歩の距離を無言で見つめつつ、渡守さんは打ったタイムカードを元の位置に戻したかと思ったら、私との距離を詰めてきた。
黙って、彼を見上げる。
渡守さんはにこにこ笑って私を見下ろしていた。
それをなんともいえない気持ちで見つめつつ、そろりと横へ一歩、また移動する。
私が仕事の準備をしていると作業員さんたちが出勤してきた。
「おはよーございまーす」
私も元気に挨拶を返す。
あれから渡守さんの紹介で、彼の勤め先の土木会社に事務員として雇ってもらった。
渡守さんはもしかしたら今までの会社よりも給料が悪いかもしれないと言っていたが、悪いどころか増えた。
前の給料を聞いた社長と渡守さんから、
『それで今まで、よく生活できたね……』
と心配されたくらいだ。
「おはよう、璃世ちゃん」
そのうち、渡守さんも出勤してきた。
「お、おはようございます……」
ホワイトボードに予定を書き込んでいた私の隣に彼が立つ。
そこにタイムカードがあるのだから当たり前だ。
けれどなんとなく、一歩横に動いて距離を取ってしまう。
できた一歩の距離を無言で見つめつつ、渡守さんは打ったタイムカードを元の位置に戻したかと思ったら、私との距離を詰めてきた。
黙って、彼を見上げる。
渡守さんはにこにこ笑って私を見下ろしていた。
それをなんともいえない気持ちで見つめつつ、そろりと横へ一歩、また移動する。