油圧ショベルに乗った王子様~ノーブルな土木作業員は元気娘を愛でる~
私の手を両手で握り、後輩が迫ってくる。
目が期待でキラキラしていて圧が凄い。
おかげで背中が、仰け反った。

「うん。
でも、取り次いでくれるかも引き受けてくれるかもわかんないよ?
ごめんね」

とはいえ、少なくともあの渡守さんなら事情を聞けば、すぐに紹介してくれそうな気がする。

「それでもいいです。
よろしくお願いします!」

「うん、わかった」

これで後輩の悩みは少し軽くなったようでよかった。
あとは弁護士さんが受けてくれるように祈るばかりだ。

サラダやピザを追加し、食べながら話す。

「そういえば例の彼とはどうなんですか?」

「うっ。
……ごほっ、ごほっごほっ」

唐突にその話題を振られ、盛大に咽せた。

「イケメンですっごい優しい彼が助けてくれたーって、盛大に惚気てたじゃないですか。
その後、どうなったんです?
もちろん、付き合ってるんですよね?」

「えっ、あっ、えーっと……」

つい正座して姿勢を正し、テーブルの上に視線を彷徨わせる。
あの日、心配して電話をかけてきてくれた後輩に、いい人が助けてくれてなんとかなりそうという話はした。
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