油圧ショベルに乗った王子様~ノーブルな土木作業員は元気娘を愛でる~
そうか、あれは惚気だったのか……。
「その話、俺も聞きたいなー」
いるはずのない人の声がして顔を上げる。
そこには渡守さんがお皿を持ち、にっこりと笑って立っていた。
「これ、サービスだって」
置かれた木製トレイの上には、ローストビーフやステーキなど、数種の肉料理がのっている。
「え、誰ですか」
不信感を募らせ、後輩が彼を睨む。
いつも御曹司の被害に遭っているので、ナンパ男に嫌悪感を抱いているのは当たり前だ。
「その。
……例の、彼」
渡守さんとも後輩とも目をあわせられず、俯いたままもじもじと告げた。
「えっ、そうなんですか!
どうぞ、どうぞ」
途端に後輩の態度が変わり、彼に私の隣へ座るように勧めてくる。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
笑いながら私を奥へ追いやり、渡守さんは隣へ座った。
「いつも先輩がお世話になってます」
「お世話しております」
頭を下げた後輩はいったい、なに視線なんだ?
そして私はお世話されてなど……されているな……。
「先輩、ウブというかいろいろ疎いじゃないですか。
ご迷惑をおかけしていませんか」
「その話、俺も聞きたいなー」
いるはずのない人の声がして顔を上げる。
そこには渡守さんがお皿を持ち、にっこりと笑って立っていた。
「これ、サービスだって」
置かれた木製トレイの上には、ローストビーフやステーキなど、数種の肉料理がのっている。
「え、誰ですか」
不信感を募らせ、後輩が彼を睨む。
いつも御曹司の被害に遭っているので、ナンパ男に嫌悪感を抱いているのは当たり前だ。
「その。
……例の、彼」
渡守さんとも後輩とも目をあわせられず、俯いたままもじもじと告げた。
「えっ、そうなんですか!
どうぞ、どうぞ」
途端に後輩の態度が変わり、彼に私の隣へ座るように勧めてくる。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
笑いながら私を奥へ追いやり、渡守さんは隣へ座った。
「いつも先輩がお世話になってます」
「お世話しております」
頭を下げた後輩はいったい、なに視線なんだ?
そして私はお世話されてなど……されているな……。
「先輩、ウブというかいろいろ疎いじゃないですか。
ご迷惑をおかけしていませんか」