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「私は…嫌い、かな。この名前だし」


質問に答えながら、虚しくなる。

なんでそんなこと聞くんだろう。嫌味?なんて卑屈になってしまう。


なんとなく、立っていた体をまた席に戻す。


すると水谷くんは完全に体を後ろにして、私の方を見た。

距離が少し近くなって少しだけドキッとする。


「俺は雨、好きだよ」


その言葉にまた心臓が大きく跳ねる。

今朝、みんなの雨への批判の声に卑屈になってたくせにこうゆう事は都合よくドキドキするなんて。


「な、んで…?別に、いい事ないじゃん…」


「何か、落ち着かね?」


別に私に気を遣った訳ではないだろうけど、その言葉がすごく優しく聞こえて心が軽くなった気がした。


「水谷くんってやっぱ、変わってる…ね」


思ってたよりも普通に話しかけてきた彼に、私の緊張も解けたのか水谷くんを変人扱いするような事を言ってしまった。


「それ言ったら新山さんまだと思うけど」


「え、私は…普通だと思うけど」


「ふっ……無自覚」


小馬鹿にしたように見せた、初めて見る笑顔。

あ、、、ダメだ。



好きになるやつだ……

そう確信してしまった。


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