別れてママになったのに、一途な凄腕パイロットは永久溺愛で離してくれません
 突然の私の告白に綾人は顔を上げ、私は彼から視線を逸らす。

「だから、その……」

 がっかりされたくない。別れたから素敵になった綾人に比べて私は……。

「どんな可南子でもかわいいよ」

 驚いて目をぱちくりとさせる私に、綾人は柔らかく微笑む。

「おしゃれをしている姿も、普段の格好も、全部愛しくてたまらないんだ」

 そっと額に口づけを落とされ、強張っていた力が抜ける。なんだか泣きそうになりながら、彼に促されるままに従い、服を脱がされていった。

「綾、人」

 上半身がなにも身にまとっていない状態になり、心許なさで肩を縮める。向かい合ったままの綾人にまじまじと見つめられ、視線を限りなく落とした。

「あ、あんまり見ないで」

 耐えられずに訴えると、綾人はニヤリと口角を上げた。

「そうだな。見るだけじゃなく、ちゃんと可南子を気持ちよくしないと」

 言うや否や、抱きしめるようにして彼の唇は首筋に添わされ、手は胸に伸ばされる。

「やっ」

「嫌?」

 意地悪く耳元で囁かれ、それさえ熱を呼び起こさせる。彼の舌と唇が肌を器用に滑り、湿った柔らかい感触がもどかしくて切ない。唇を必死に噛みしめ声を抑えた。

「はっ……ん……」

「声、我慢しなくていい。聞かせて」

 綾人にはバレバレだったらしい。でもおとなしく聞けるわけがない。

「そうやって耐える姿も、ものすごくかわいいけれど……」

「ひゃっ」

 急に彼の口が胸元に移動し、強く吸い上げられる。ちくりとした痛みが走り、続けてそこを満足そうに舐められた。それを幾度となく繰り返される。
< 140 / 189 >

この作品をシェア

pagetop