別れてママになったのに、一途な凄腕パイロットは永久溺愛で離してくれません
そんな風に言われたら、逆にそれまで飛行機に乗れない。その時が来るまで、綾人の隣で待っていていいの?
『初めてが綾人の操縦する飛行機なら、頑張って乗ってみようかな』
わざとおどけて返すと、ゆるやかに唇を重ねられる。
そんな日が、本当に来たらいいな。
「おかあしゃん。あれ、なにー?」
凌空の質問で我に返る。窓の下には島の形が見え、どうやらもうすぐ着くらしい。あんなに高いところが怖かったのに、今は不思議と気分が落ち着いている。
飛行機が平気なのではなくて、やっぱり綾人の操縦する飛行機で、凌空がそばにいるからなのかもしれない。
綾人はこのまま飛行機が目的地に到着したのち、今度は戻る便の操縦が待っているらしい。さらに彼は仕事を終えた後の便で改めてこちらにやってきて、私たちと合流する予定だ。
忙しすぎるんじゃないかと言ったが、このプランを綾人は譲らなかった。こうして結果的に私と凌空は綾人の操縦する飛行機に乗っている。
ちゃんと、約束を守ってくれたんだ。
きっと私はこの初めてをずっと忘れない。凌空がはっきりと覚えていなくても、彼の中になにかが残っているといいな。
帰りは三人で一緒に飛行機に乗ることになる。それも初めての素敵な思い出になるんだ。
お互いの性格や当時の環境で私たちは一度離れてしまった。でも私は変わった。彼のおかげで変われたの。今度はもう離れたりしない。綾人を信じている。
着陸してから、少しは綾人と会えるかな?
淡い期待を抱きつつ着陸に備え、幸せを嚙みしめながら凌空をギュッと抱きしめ直した。
Fin.
『初めてが綾人の操縦する飛行機なら、頑張って乗ってみようかな』
わざとおどけて返すと、ゆるやかに唇を重ねられる。
そんな日が、本当に来たらいいな。
「おかあしゃん。あれ、なにー?」
凌空の質問で我に返る。窓の下には島の形が見え、どうやらもうすぐ着くらしい。あんなに高いところが怖かったのに、今は不思議と気分が落ち着いている。
飛行機が平気なのではなくて、やっぱり綾人の操縦する飛行機で、凌空がそばにいるからなのかもしれない。
綾人はこのまま飛行機が目的地に到着したのち、今度は戻る便の操縦が待っているらしい。さらに彼は仕事を終えた後の便で改めてこちらにやってきて、私たちと合流する予定だ。
忙しすぎるんじゃないかと言ったが、このプランを綾人は譲らなかった。こうして結果的に私と凌空は綾人の操縦する飛行機に乗っている。
ちゃんと、約束を守ってくれたんだ。
きっと私はこの初めてをずっと忘れない。凌空がはっきりと覚えていなくても、彼の中になにかが残っているといいな。
帰りは三人で一緒に飛行機に乗ることになる。それも初めての素敵な思い出になるんだ。
お互いの性格や当時の環境で私たちは一度離れてしまった。でも私は変わった。彼のおかげで変われたの。今度はもう離れたりしない。綾人を信じている。
着陸してから、少しは綾人と会えるかな?
淡い期待を抱きつつ着陸に備え、幸せを嚙みしめながら凌空をギュッと抱きしめ直した。
Fin.