別れてママになったのに、一途な凄腕パイロットは永久溺愛で離してくれません
『実は綾人のことはそんなに好きじゃなくて、彼がRHHのパイロット候補で、シャッツィの御曹司っていう肩書きに惹かれて付き合っていたんじゃない?』
『でも私や綾人みたいな人間は常に自分に近付く相手にそういう疑いをかけちゃうのよね』
川嶋さんに言われた言葉が、はっきりと残っている。
綾人は余計な口を挟まず、時折相槌を打ちながら話を聞いてくれている。
「それに……あんな形で傷つけたのに、綾人に大事にしてもらう権利も、結婚する資格も私にはないよ」
罪悪感で押し潰されそう。その時は最善を選んだつもりだったのに……。
しまっていた不安を口にして、後悔するのと同時に胸につかえていた大きな塊が消えたのを感じる。
「可南子がそういった不安を覚えるのは無理もない。でもどれも心配しなくて大丈夫だ」
何度も瞬きをし、おずおずと綾人を見遣る。彼は安心させるように笑みを浮かべた。
「まずうちの両親は家柄なんて気にしない。結婚しろと母にはよく言われるけれど、実際、兄も家柄関係なく恋愛結婚をしたんだ。相手はひとり親 育ちだが、気にしていたのは本人だけで、兄はもちろん俺も両親もまったく気にしていないよ」
偏見かもしれないが純粋に驚く。シャッツィの後継者として社長を務めているお兄さんの相手なら、それなりの家柄の女性ではないと許されないような印象だった。
「むしろ、あの兄がよく結婚したよ。母もすごく喜んでいて奥さんとは仲良くしているらしい。最近は兄夫婦の子どもに夢中で、だから凌空の存在もきっと歓迎される」
にわかには信じられないが、穏やかに話す綾人はどこか嬉しそうだ。
『でも私や綾人みたいな人間は常に自分に近付く相手にそういう疑いをかけちゃうのよね』
川嶋さんに言われた言葉が、はっきりと残っている。
綾人は余計な口を挟まず、時折相槌を打ちながら話を聞いてくれている。
「それに……あんな形で傷つけたのに、綾人に大事にしてもらう権利も、結婚する資格も私にはないよ」
罪悪感で押し潰されそう。その時は最善を選んだつもりだったのに……。
しまっていた不安を口にして、後悔するのと同時に胸につかえていた大きな塊が消えたのを感じる。
「可南子がそういった不安を覚えるのは無理もない。でもどれも心配しなくて大丈夫だ」
何度も瞬きをし、おずおずと綾人を見遣る。彼は安心させるように笑みを浮かべた。
「まずうちの両親は家柄なんて気にしない。結婚しろと母にはよく言われるけれど、実際、兄も家柄関係なく恋愛結婚をしたんだ。相手はひとり親 育ちだが、気にしていたのは本人だけで、兄はもちろん俺も両親もまったく気にしていないよ」
偏見かもしれないが純粋に驚く。シャッツィの後継者として社長を務めているお兄さんの相手なら、それなりの家柄の女性ではないと許されないような印象だった。
「むしろ、あの兄がよく結婚したよ。母もすごく喜んでいて奥さんとは仲良くしているらしい。最近は兄夫婦の子どもに夢中で、だから凌空の存在もきっと歓迎される」
にわかには信じられないが、穏やかに話す綾人はどこか嬉しそうだ。