永遠の片想い
「吸いたくなる気持ちは、ストレスを抱えた大人にしかわからないさ、緊張をほぐしたり、ささくれだった心を鎮めるためにひと息吐きたくなる」
「ふーん、お父さんもそうなのかなー」
俺が知るか!
「人それぞれなんじゃねーか」
「お父さんはさ、家の中では吸わせてもらえないから庭で吸ってたよ、雨の日も冬の寒い日も」
「そんなもんさ、家族にすら嫌われる、俺だってベランダのホタル族だよ」
「ホタル族って?」
「遠くから見ると煙草の火が蛍の点滅に見えるだろ」
「あー、なるほど、、でもそれって、なんか哀愁を感じるね」
悪かったなー、俺もちょっぴり寂しいかな、
「一人ポツンと煙草を吸うお父さんの背中もなんだか寂しそうだった」