君に恋をして
どのくらい泣いていたのだろう。

眠っていたようだ。

温かい・・・

隣を見ると、うみ君があたしを見ていた。

「もう大丈夫??」

彼は優しく聞く。

「うん・・・」

あたしはうないずいた。

「先輩・・・何があったか教えてくれますか??」

あたしは全てを話した。

一人で声も出せず泣いていたこと。

人前で泣けずにいたこと。

全て話すと彼はこう言った。

「ぢゃぁ、俺は先輩の涙見た人初だな!!」

なんて言って、無邪気に笑うんだ。

それに何かを重ねて見ていた。

_リオのCDやDVDを初めて買った時の自分。

始めてをたくさんもらって嬉しくてはしゃいでる自分とうみ君は一緒に見えた。

そして、涙の後の作り笑いはなくなっていた。

ただ、満面の笑みがそこには広がっていた。

「やっとホントに笑ったね」

彼は言うんだ。

「俺にはわかってたよ」

って。

そして、あたしも言うんだ。

「うみ君なら救ってくれるって分かってたよ」

って。
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