同僚に研究と彼氏を盗られて田舎で鉱物カフェしていたら出会った、溺愛とろあま御曹司
「あんな大胆な素材の組み合わせを発想されたのだから、どんな方なんだろうと色々想像してしまったのですが、会うと大違いだな。とても可憐で、春の小花みたいにいじらしい人だ。好奇心に満ちた瞳がきらきらしていて」

あれ? ついでに研究した私もたっぷり褒められている?
瞳とか研究には関係ないところまで褒めてくれて、えっと、瞳を輝かせている好奇心はあなたへのものです。
すごく、かっこいいんだもの。せっかく間近にあるなら拝み倒しておきたい。
 
「帆夏さんの研究されていた異種材料の──」

また研究のことを話しはじめた北園さん。
うわあ、この人すごく私の論文読みこんでる。
こわいくらい。
いい男ぶりに気圧されて後回しになっちゃたけど、北園グループからきた北園さんってその苗字偶然ってことはないはず。

あそこ一族経営だったような。研究所で世田さん含む女子研究員が、北園グループ特集の雑誌みて騒いでいた、専務をしている御曹司がヤバいくらいの美男子だって。
 
「あの、北園さん」
「はい」
「お話をされているところ遮ってしまって失礼します。北園グループの方で、苗字が北園ということは、その……」
「ああ、グループ総帥が僕の父です。僕は長男なので、北園自動車の専務をしています」
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