同僚に研究と彼氏を盗られて田舎で鉱物カフェしていたら出会った、溺愛とろあま御曹司
わ、わぁ! 北園さんの満面の笑み! 
いつも綺麗すぎて少し近寄りがたさがあるのに、これは春の陽射しみたいに見て「ほわぁ」ってしちゃう。美しい顔の本領発揮ってこうだ。

「帆夏さん、……帆夏さん?」
「あ、はい」

いけない、放心しすぎちゃった。あの笑顔、思い返すだけでいいなあ。
記憶に刻みつけて寝る前とか思いかえそ。

「この後どうするか、を考えていて、映画……とかどうかな」
「映画ですか……」

北園さんと並びあって、薄暗い映画館で二時間くらい……だめ! 絶対映画の内容なんか頭の中入らないよ。

「いやかな? あとはヘリをチャーターして上空周遊くらいしか思いつかないんだけど」

いくらかかるのそれ、しかもヘリコプターも密室で狭いし。

「……やっぱりヘリか……」
「い、いえ! ヘリじゃないほう!! 映画がいいですっ私!」
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