同僚に研究と彼氏を盗られて田舎で鉱物カフェしていたら出会った、溺愛とろあま御曹司
般若のような表情でつかみかかってきた世田さんだが、勢い余ってヒールがずれ、足首から床について転げてしまった。
「うっわ、キレイな女性かと思ったらとんだヒス持ちかよ」
「いくらパッと見良くても感情の起伏激しいの無理だわ」
「わ〜無様」
遠巻きにする人たちが、ヒソヒソ囁いてる。
世田さんの耳にも届いているだろう。
コケた姿勢のまま、痛みと嘲笑にのたうち回っている。
その世田さんに、涼晴さんが極寒から持ち出したような冷え切った一言を降らせる。
「……知性が素朴な人だ……」
キツいな。
オブラートに包んだ表現が涼晴さんらしいけど、「愚か」と軽蔑しているのだ、これは。
「くっ、ギィィィィ」
憧れを持っていた男性に蔑まれ、世田さんは床で悔しがって悶える、その姿に引いたのかそばにいる康二さんさえ手を貸さなかった。
「もうここでの用は終わった、抜けさせてもらうよ。大切な人との重大な用事があるんでね。行こう、帆夏さん」
「え。は、はい」
握り合った手を引かれて、私は涼晴さんと会場を後にする。
「うっわ、キレイな女性かと思ったらとんだヒス持ちかよ」
「いくらパッと見良くても感情の起伏激しいの無理だわ」
「わ〜無様」
遠巻きにする人たちが、ヒソヒソ囁いてる。
世田さんの耳にも届いているだろう。
コケた姿勢のまま、痛みと嘲笑にのたうち回っている。
その世田さんに、涼晴さんが極寒から持ち出したような冷え切った一言を降らせる。
「……知性が素朴な人だ……」
キツいな。
オブラートに包んだ表現が涼晴さんらしいけど、「愚か」と軽蔑しているのだ、これは。
「くっ、ギィィィィ」
憧れを持っていた男性に蔑まれ、世田さんは床で悔しがって悶える、その姿に引いたのかそばにいる康二さんさえ手を貸さなかった。
「もうここでの用は終わった、抜けさせてもらうよ。大切な人との重大な用事があるんでね。行こう、帆夏さん」
「え。は、はい」
握り合った手を引かれて、私は涼晴さんと会場を後にする。