同僚に研究と彼氏を盗られて田舎で鉱物カフェしていたら出会った、溺愛とろあま御曹司
あなたの手段
涼晴さんの一人暮らし先だという、レジデンスに案内された。
涼晴さんのお家ってはじめてだ。

ずっと、お家とか私が身構えるからあえて呼ばずに外の施設で済ませてたんだろうな。

高級感漂う、おしゃれなエントランスを手を繋いで歩く。
専用エレベーターで上がってすぐお部屋が広がっていて、内装のゴージャスさに戸惑ってると向き直った涼晴さんに抱きしめられる。

「立派だったよ、帆夏さん。惚れ惚れした」
「あ、あの涼晴さん。今日はありがとうございます。でも、私、あ」

首筋に何度も唇で触れられて、くすぐったい。
それに……涼晴さんに触れたくなって、困る。

「君の無念を、君は自分で晴らしたよね? もう……研究に戻ることもできるんじゃない?」
「わ、たし……?」

そういえば、世田さんに指摘したあたりから研究のことを考えても、苦しくない。
青空が広がってるみたいに胸がスッとしている。
なら戻れるの? 私は。
 
「はじめて会った時に言ったこと、もう一度言うよ。君を必要としているんだ。僕のところに、きてくれる?」

力強く見つめる瞳が近づいて、甘く唇を奪われる。
熱く吐息を混じらせて、離した唇が囁く。

「もう研究者としての意味だけで尋ねていんじゃない。僕の、愛する人って意味でも尋ねている」
「涼晴さん……!」
「帆夏さんを愛してる。僕は、君を離すつもりさらさらないよ、断らせなんかしない。卑怯だとわかってる手段を用意してきた」
「一体どういう……?」
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