悪女は果てない愛に抱かれる

甘いキスによって理性が失われかけた状態でも、さすがに羞恥が芽生えた。

急いでその手を握って待ったをかけるも、ぜんぜん止まってくれない。



「やぁ……、だめ……」


まだ誰にも触れられたことのない部分に指先がゆっくり移動していく。


バクン、バクンと、心臓がうるさい。

壊れそう……。


すれすれの部分を撫でられて、思わず身をよじる。

声が零れそうになり、慌てて唇を噛んだ。


でも、そんなわたしを試すように、さっきよりも少し強い力で、深いところに触れてくるから。


「……っ、あぁっ…」


堪えきれなかった声が静かな部屋に響いて、恥ずかしさで思わず涙が滲む。


体の中心がさらに熱をもって、奥のほうで燻るのを感じた。

それと同時にもどかしさが増していく。


初めての感覚に戸惑って、もうどうしたらいいかわからない。

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