悪女は果てない愛に抱かれる

そう言うと、ルリちゃんは少し赤くなった顔を両手で隠すようにしてはにかんだ。


「そんな大層な人間ではないよ……」


謙遜ではなく本当にそう思う。


「でも……すごい嬉しい、ありがとう」


返事をしながら、少しだけ泣きそうになった。



「うん……それで、だからねっ? あゆ先輩には幸せになってほしいな〜と思って、だから、好きな人いるのかな〜って」

「んー……、えっと、どうしてその流れで好きな人のハナシに?」


「もちろん! 応援したいからだよ!」

「なっ、気持ちは嬉しいけど……さっきも言ったように、いないですよ」


「え〜怪しいよー。だって、あたしが聞いたとき、見るからに動揺してたじゃん。あれはいる人の反応だと思うなーっ」

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