悪女は果てない愛に抱かれる

間もなく、キーンコーン……と予鈴が鳴った。


「じゃあ先輩、また放課後ね!」


大丈夫。

再度自分に言い聞かせてから、ルリちゃんを見送った。






.



「今井」


放課後、ルリちゃんが来るのを待っていたところに、遥世くんから声が掛かった。


終礼が終わってもう10分以上経っているので、教室の人はまばら。



「ルリ補習だってさ」

「ええっ、また?」


「あいつ地頭は悪くねえんだけど、勉強しないからなー」

「そうなんだ。……てことは今日は中止……」


「になると思うか? 相手はルリだぞ」

「……お、思わないかも……」


< 144 / 197 >

この作品をシェア

pagetop