悪女は果てない愛に抱かれる
間もなく、キーンコーン……と予鈴が鳴った。
「じゃあ先輩、また放課後ね!」
大丈夫。
再度自分に言い聞かせてから、ルリちゃんを見送った。
。
.
「今井」
放課後、ルリちゃんが来るのを待っていたところに、遥世くんから声が掛かった。
終礼が終わってもう10分以上経っているので、教室の人はまばら。
「ルリ補習だってさ」
「ええっ、また?」
「あいつ地頭は悪くねえんだけど、勉強しないからなー」
「そうなんだ。……てことは今日は中止……」
「になると思うか? 相手はルリだぞ」
「……お、思わないかも……」