悪女は果てない愛に抱かれる
罪か、罰か


.


息が切れて、スピード緩めた。


お父さんの話っていったいなんだろう……。

今までいい話だった試しは一度もない。


この前の任務のことかな。

観月くんとの進展を聞かれたら、なんて答えればいいの……?


だけど、安哉くんと一緒に呼び出されたってことは、また別の話……?


嫌、だな……。
聞きたくない……。


徐々に足取りが重たくなっていく。

さっき紅茶を飲んだばかりなのに、もう喉はカラカラだった。


一度足を止める。


水でも買って、いったん気持ちを落ち着かせよう……。


乱れた息と、ついでに前髪を整えてから、近くのコンビニに入った。

その直後だった。



「うわあああ!」


そんな叫び声とともに、中にいたお客さんが勢いよくぶつかってきた。


その人が持っていたアイスコーヒーの中身が、バシャ……っとわたしの制服に掛かる。

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