悪女は果てない愛に抱かれる

わたしが説得したところで解放してくれるわけがないのは、わかりきっている。


安哉くんだって、本当は優しいから少なからず負い目を感じているはず。

だけど、桜家の息子として、上の命令には決して逆らうことができないのだ。



人目なんか気にしている場合じゃない。


急いで制服に腕を通して、わたしはホテルをあとにした。

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