悪女は果てない愛に抱かれる
「へ? ──んんっ」
そのままなだれ込むようにシートに押し倒されて、
わたしはまだ状況が理解できないままその唇を受け入れる。
「……っ、うぅ……」
甘さにくらくらして、つい流されそうになるのを、ぐっと堪えた。
「ま、待って……っ、観月くん、なんでここにいるの……?」
「……佐藤さんからの伝言でお前がここにいるってわかった」
「っ、でも、わたしは本部で待っててって言ったはずで……」
「たった一晩抱かれただけで罪を償った気になってんじゃねえよ」
「……え?」
手首を拘束され、手錠を掛けられたかのように身動きがとれなくなった。
底の見えない深い瞳に、わたしだけが映っている。